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特集 脳障害児の早期療育
脳障害児早期療育のシステム造り
Very Early Habilitation System to Handicapped Infants with Cerebral Lesion.
穐山 富太郎
1
,
岡本 義久
1
,
川口 幸義
2
,
松坂 哲応
3
,
山田 星三
4
Tomitaro Akiyama
1
,
Yoshihisa Okamoto
1
,
Yukiyoshi Kawaguchi
2
,
Tetsuo Matsuzaka
3
,
Seizōh Yamada
4
1長崎大学整形外科
2長崎県立整肢療育園
3国立療養所長崎病院小児科
4長崎市中央保健所
1Department of Orthopaedic Surgery, Nagasaki University School of Medicine.
2Nagasaki Crippled Children's Hospital.
3Department of Pediatrics, National Ryōyōsyo Nagasaki Hospital.
4Nagasaki Central Health Center.
キーワード:
脳障害児
,
早期療育システム
Keyword:
脳障害児
,
早期療育システム
pp.263-270
発行日 1980年4月10日
Published Date 1980/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104300
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はじめに
過去数十年来,欧米をはじめ,世界各地で発展,確立されてきた委託リハビリテーション・システム8),をわが国においてもとりいれ,それらは,近年,急ピッチで整備されてきた.しかし,地域社会への復帰と逆行するこのような隔離方式の委託リハビリテーション方策が誤まりであったことが,欧米ではすでに反省され,地域社会のなかでのリハビリテーション活動へと軌道修正がなされつつある.
地域社会から隔離した委託リハビリテーションが,特殊なケースに対する以外,好ましい方法でないことは又われわれが実際に経験するところであり,われわれには地域リハビリテーションの充実をはかる使命がある.今日でも,上述した委託リハビリテーション方策が正しいとする考え方があるが,それは健常者の都合主義から正当化したものであり,障害児・者に対する理解不足がその根底にある.以下,地域リハビリテーションの立場から脳障害児早期療育(リハビリテーション)のシステムについて論じたい.
ここで述べるリハビリテーション・アプローチの基本的概念は脳障害に基づく運動発達障害(脳生麻痺)に対するのみならず,知的発達障害(知恵遅れ)に対しても重要であり,さらに,ありとあらゆる疾患に基づくどのような発達障害児(handicapped infants)に対しても適用されうるものと考える.
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