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講座
言語障害のリハビリテーション(4)―麻痺性構音障害のリハビリテーション
Communication Disorders: Rehabilitation and Management (4): Dysarthria.
綿森 淑子
1
,
笹沼 澄子
1
Yoshiko Watamori
1
,
Smniko Sasanuma
1
1東京都老人総合研究所言語聴覚研究室
1Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology.
キーワード:
麻痺性構音障害
,
評価分類
,
リハビリテーション
Keyword:
麻痺性構音障害
,
評価分類
,
リハビリテーション
pp.591-598
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103183
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はじめに
麻痺性溝音障害は,失語症と並んでリハビリテーション医学の対象となる人達の間によく見られる話しことば(speech)の障害である.脳血管障害,変性疾患,外傷などによって,神経系の運動コントロール中枢やその伝導路が損傷された結果ひき起され,臨床的には,呼吸,発声,構音,共鳴,及びプロソディー(話しことばのアクセント,抑揚,速度,リズムなど)のすべてのシステムが,多かれ少なかれ障害されるのが普通である.このような障害の発生率に関しての信頼できる統計は皆無であるが,柴田(1972)は過去の文献を元に算定を行った結果,最少限に見積っても全国で2万5千人の患者が存在するものと推定している.
麻痺性構音障害の症状は障害部位に対応して,異なった特徴を示すことが知られており,神経学の教科書にも種々の症状が記載されている.しかし,そのリハビリテーション―即ち,言語治療の方法論について触れている文献は少ない(Robbins,1940; Froeschels,1943; Morley,1955; Farmakides & Boone,1960).本稿では麻痺性構音障害のリハビリテーションについての基本的な考え方を症例を混えながら述べてみる.
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