Japanese
English
特集 片麻痺のリハビリテーションⅡ
片麻痺の下肢の手術
Surgical treatment of lower limbs in hemiplegic patients.
田川 宏
1
Hiroshi Tagawa
1
1東京大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, University of Tokyo.
キーワード:
内反尖足
,
槌趾
,
共同運動
,
腱移行術
,
異所性骨化
Keyword:
内反尖足
,
槌趾
,
共同運動
,
腱移行術
,
異所性骨化
pp.157-166
発行日 1973年2月10日
Published Date 1973/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102866
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【抄録】 片麻痺における変形・拘縮は,弛緩性麻痺とは異なり,単なる筋力インバランスによる関節拘縮ではなく,病的姿勢反射,異常な共同運動,伸張反射の亢進など動的要因が大きく関与している.したがって発病初期における処置の適否のみには左右されず,リハビリテーションを阻害する因子として,手術による機能再建の対象となるものが少なくない.下肢においては痙性内反尖足と槌趾がおもな変形で,歩行障害も強く,主要な手術対象となる.下腿三頭筋を弛緩延長する手術,前・後脛骨筋や足趾屈筋腱の移行による背屈外反力の再建,足趾屈筋腱の切腱術などを併合して手術を行なえば,あえて骨手術を行なわなくても満足すべき治療効来が得られる.膝の屈曲拘縮や過伸展傾向,股関節の屈曲内転拘縮なども手術対象となるが,著者らの手術経験は数に乏しく,なお検討すべき余地が大きい.異所性骨化による不良肢位強直は,骨化成熟後,手術的切除を行なうべきである.
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