Japanese
English
特集 片麻痺のリハビリテーションⅡ
片麻痺の外科手術―総論とリスク管理
Reconstructive surgery of the limbs in hemiplegic patients: principles and control of surgical risk
小野 啓郎
1
,
土井 照夫
2
Keiro Ono
1
,
Teruo Doi
2
1大阪大学整形外科
2星ケ丘厚生年金病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka University Medical School.
2Department of Orthopaedic Surgery, Hosigaoka Pension Hospital.
キーワード:
片麻痺
,
再建手術
,
リスク管理
,
老人外科
,
腱移行術
Keyword:
片麻痺
,
再建手術
,
リスク管理
,
老人外科
,
腱移行術
pp.131-142
発行日 1973年2月10日
Published Date 1973/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102864
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【抄録】 片麻痺のリハビリテーションにおける外科手術の位置づけを試みた.腱の処理を主体とする再建手術は片麻痺に特有の変形拘縮を容易に矯正することができる.さらにその原因となっている筋力・筋トーヌス・痙直性などの不均衡を是正して変形の再発をよく防ぐことができる.しかし抑制のとれた姿勢反射・立直り反射,異常なsynergy movementsを除くことは困難である.筋力回復の悪い遷延弛緩型も再建手術の対象にはなりにくい.上肢機能を再建するためにはコントロールされたすばやい筋の収縮・弛緩,精妙な知覚などをもとりもどす要があり,現在の手術法では成果があがらない.われわれの工夫した再建手術法を紹介し,そのindicationや留意すべき点にふれた.リスク管理については,スクリーニングの基準と術前・術中・術後管理において守るべき老人外科の基本原則をあげておいた.とくに循環障害(末梢も含めて),呼吸障害に留意すべきである.
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