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特集 リハビリテーション治療戦略における痙縮治療の意義
4 下肢痙縮に対するボツリヌス療法
Botulinum Toxin Treatment for Lower Limb Spasticity
青柳 陽一郎
1
Yoichiro Aoyagi
1
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学Ⅰ講座
キーワード:
A型ボツリヌス毒素
,
下肢痙縮
,
足関節内反
,
尖足
,
槌趾
Keyword:
A型ボツリヌス毒素
,
下肢痙縮
,
足関節内反
,
尖足
,
槌趾
pp.464-468
発行日 2018年6月18日
Published Date 2018/6/18
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要旨 ボツリヌス療法は,従来のフェノールブロックなどに比べて比較的手技が容易であり,痙縮治療に携わる医師が増えている.しかし,下肢痙縮に関しては適応の見極めや対象筋の選択・同定が上肢痙縮ほど容易でないこともあり,判断に躊躇する場合も少なくない.脳卒中後の下肢痙性麻痺の最も典型的なパターンは,足関節内反尖足と槌趾(claw toe)の合併である.この場合,投与筋としては腓腹筋,後脛骨筋,長趾屈筋,長母趾屈筋,ヒラメ筋を考慮する.表在筋であれば,視診と皮膚表面からの触診による筋の同定が可能である.深部筋の同定には,電気刺激,針筋電図,超音波ガイダンスのいずれか,もしくはその組み合わせを用いる.ボツリヌス毒素の効果を最大限に引き出し,持続させるには,注射後のリハビリテーション治療が重要となる.
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