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特集 脳卒中のリハビリテーション
Ⅱ.片麻痺の機能障害と診断学
脳卒中片麻痺患者のリハビリテーション診断学
Rehabilitation Diagnostics on Post-stroke Hemiplegic Patients.
大川 嗣雄
1
,
伊雄 良介
1
Tsugio Ohkawa
1
,
Ryosuke Itoh
1
1横浜市大医学部病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Yokohama City University Hospital.
キーワード:
機能障害
,
能力障害
,
共同運動
,
痙性
Keyword:
機能障害
,
能力障害
,
共同運動
,
痙性
pp.55-65
発行日 1982年1月10日
Published Date 1982/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104675
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はじめに
わが国におけるリハビリテーション医学の対象の中で,脳血管障害後の片麻痺は,その数の上からも,障害の質の点からも最も大きな問題の1つであることに誰も異存はないと思われる.
このような片麻痺にリハビリテーションを行っていくためには,いくつかの条件が整えられている必要がある.その第1は,発病直後からの内科医による適切な診断と治療である.第2には,出来るだけ早期にリハを開始することである.そのためには,内科医の協力が必須であるが,リハの立場からは,脳血管障害による片麻痺に対する正しい障害の診断と評価がなされる必要がある.さらに,これ等を基にして,速やかに適切な治療が開始される必要がある.このような条件を満たすためには,リハビリテーション科としては,片麻痺に対する正しい診断技術を身につけた医師の存在と,それを基に正しい治療を行い得る治療者の存在が不可欠である.
さらに,残存する障害に対しても,日常生活のレベルでの対策から,社会生活のレベルでの不利を補うための対応も必要になって来る.
このような適切なリハビリテーションを行っていくためには,チームのリーダーである医師の障害に対する正しい診断と評価が基にならなければならないことは明らかであろう.そこで,本論文では片麻痺に対する診断学についてのべることとする.
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