学会報告
第54回神奈川県リハビリテーション研究会―2003年3月29日(土),於:日本医科大学附属第二病院・旧丸子看護学校講堂
竹内 孝仁
1
1日本医科大学附属第二病院リハビリテーション科
pp.891-892
発行日 2003年9月10日
Published Date 2003/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102846
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1.パワーリハビリテーション施行後における精神機能の変化に関して
日本医科大学附属第二病院
西田有紀子・望月 秀樹・堀切 頼子
木村 義徳・宮田 光明・丸山 玲子
榎本 雪絵・井上 直子・竹内 孝仁
今回,多発性脳梗塞・痴呆・介護度4の90歳,女性に対し,パワーリハビリテーションを9か月間施行した.開始当初は表情もぼんやりしており,パワーリハビリテーションへも気が進まない様子であったが,3か月目以降より他者の話を聞こうとする姿勢がみられ,座位も以前より安定し,立ち上がりも向上したため移乗の介助量が軽減した.6~7か月目以降では遠くの物へ自発的に手を伸ばしたり,ゆっくりだが車椅子自走を行う姿がみられるようになった.以上の結果,本症例は竹内の提示するパワーリハビリテーションの効果の発現のプロセスをたどり,身体機能面では座位保持・立ち上がり動作の向上などによりADLの介助量が軽減し,精神機能面ではセルフケアヘの積極的参加がみられ,最終的に生活全般における自発性の改善,すなわち行動変容が起こったものと考えられる.このためパワーリハビリテーションは介護度4という重介護状態の症例に対しても効果的であることが示された.
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