学会報告
第83回神奈川リハビリテーション研究会—2017年11月11日(土),於:昭和大学藤が丘病院C棟1階講堂
真野 英寿
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1昭和大学医学部リハビリテーション医学講座
pp.684-685
発行日 2018年7月10日
Published Date 2018/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201375
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1.動的体幹装具Dynamic Spine Brace(DSB)(通称ぷれーりーくん)を用いた,障害児の側弯症の治療(障害児を側弯症にしてはいけない)
昭和大学リハビリテーション医学講座
真野英寿・他
当院でDSBの作製を開始して約5年が経過した.当初は重度の年長児を対象にしていたが十分な治療効果が得られなかった.現在ではより軽度の症例に対してより早期から作製している.作製には技術を要するが,側弯症の進行を予防する効果が期待でき家族の満足度が高い.症例を通してDSBの適応と治療戦略を検討した.DSB作製を通しての知見として,1Cobb角25°未満でも適応がある,2側弯症の治療は小学校就学前〜低学年から開始する,3作製開始は身体能力の変化(就寝後に寝返りを打たなくなった)に家族が気付くころがよい.障害児を側弯症にしないための治療戦略として,①DSBを早期に作製するためには医師の技術と経験が求められる,②早期であればDSB以外の保存的治療で側弯症の予防が期待できる,③姿勢の保持とストレッチは家族への指導が有効である.側弯症の治療につながる治療戦略を,障害児にかかわるに人々に伝えることで,側弯症の治療につながる可能性があると考えられた.
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