学会報告
第44回神奈川県リハビリテーション研究会―1998年3月7日(土),於:日本医科大学付属丸子看護専門学校講堂
竹内 孝仁
1
1日本医科大学付属第二病院リハビリテーションセンター
pp.802-804
発行日 1998年8月10日
Published Date 1998/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108739
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1.39cm,44cmからの立ち上がり動作における酸素摂取量の比較検討
日本医科大学付属第二病院リハビリテーション科
井上直子・木村義徳・丸山玲子
宮田光明・榎本雪絵・北村純一
来栖宏二・竹内孝仁
通常日常生活で使用されるトイレ高39cmと,比較的車椅子で使用される44cmからの立ち上がり動作時の心肺負荷に差が生じるかどうかに着目し,酸素摂取量(VO2),心拍数(HR),主観的運動強度(RPE)の項目に関して比較検討した.被験者は健常成人14名(男性7名,女性7名),平均年齢30.7±4.8歳,平均身長165.6±8.9cm,平均体重60.3±13.3kgである.統計学的分析としてVO2,HRは2条件間でpaired-ttestを用い,PREはWilcoxon testを用いて有意水準5%で比較検討した.結果として2条件間ではVO2,HRには有意差を認めたが(P<0.001),RPEは有意差はなかった.RPEでは中央値12で自覚的疲労度としては比較的楽な動作にもかかわらず,各条件下での単位時間(分)当たりのVO2は平均14.6±2.9ml/kg,16.9±3.0ml/kg,HRは106.5±12.3beats,112.5±22.1beatsと有意差を示していることから,特に虚血性心疾患,その他の心肺負荷を考慮すべき疾患に関して,トイレ高5cmの差を熟慮する必要性があることを示唆している.
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