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増大特集 リハビリテーションQ&A
Ⅹ 社会制度など
60.ICF
ICF.
堺 裕
1
Yutaka Sakai
1
1帝京大学福岡医療技術学部
1Faculty of Medical Technology, Teikyo University, Fukoka
キーワード:
ICF
,
ICIDH
,
コード化
,
ICF-CY
Keyword:
ICF
,
ICIDH
,
コード化
,
ICF-CY
pp.788-793
発行日 2012年5月10日
Published Date 2012/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102537
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Q1 ICFは何を分類しているのか?
ICFの正式名称は,International Classification of Functioning,Disability and Healthである.直訳すれば,生活機能(functioning),障害(disability)および健康(health)に関する国際分類となる.本邦では,国際生活機能分類と訳されている.ICFは,ある健康状態との関連において,健康状況と健康関連状況を分類するものである.健康状態とは,病気や傷害,さらに妊娠,加齢,ストレスなどの状況を包括する用語である.健康状況を分類する健康領域には,見ること,聞くこと,歩行,学習,記憶などが含まれ,健康関連状況を分類する健康関連領域には,交通,教育,社会的相互関係などが含まれている.ただし,ICFでは,健康領域と健康関連領域との間の明確な線引きはなされていない.これらの領域を網羅しているICFは,4つの構成要素からなる.すなわち,心身機能・身体構造,活動・参加,環境因子および個人因子である.
心身機能・身体構造は,心身機能と身体構造の2つに分けて,別々に分類されている.心身機能は,人間の生体全体についての生理的機能のことであり,精神的または心理的機能も含まれている.身体構造とは,身体の解剖学的部分のことである.ICFでは,器官別の考え方はとられておらず,身体構造は器官とはみなされていない.心身機能と身体構造の分類は,対応させて使用できるようになっている.たとえば,「音声と発話の機能」には,「音声と発話の構造」が対応する.
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