入門講座 ICF:国際生活機能分類・4
ICF-CY今後の展望
上出 杏里
1
,
橋本 圭司
1
Anri Kamide
1
,
Keiji Hashimoto
1
1国立成育医療研究センターリハビリテーション科
1Division of Rehabilitation Medicine, National Center for Child Health and Development
キーワード:
ICF-CY
,
小児
,
活動
,
社会参加
Keyword:
ICF-CY
,
小児
,
活動
,
社会参加
pp.327-332
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200198
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はじめに
ICFの児童版として開発されたICF-CY(International Classification of Functioning,Disability and Health for Children and Youth)は,18歳未満の児を対象に,その成長発達の特性へ配慮し,児の自立,社会参加に向けた児自身および周囲の環境を整えるために必要な情報の構造化,問題点の明確化に有用である.また,児にかかわる多分野の専門家らが,専門性や政府部門,国別による違いを越えて情報共有を行うための共通言語としても有用である1).
国内では,教育,特に特別支援教育の現場を中心に活用が進められているが,医療現場における認知度はまだ低く,患児の情報整理や統計学的調査の手段として使用されている例は数少ない.その要因の1つとして,評価項目数が多く(図1),全項目を評価するには非常に手間がかかることが挙げられる.また,ICFでは疾患・病態別に評価項目を限定したコアセットの開発が進められているが,ICF-CYでは,まだ具体的なコアセットの開発が提示されていないことも活用の困難感を助長していると考えられる.
ICF-CYによる児の生活機能の構造化の利点を生かすことができるよう,最終回となるこの入門講座では,小児の社会参加に着目してICF-CYの活用について考えたい.
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