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入門講座 ICF:国際生活機能分類・1【新連載】
ICFの成り立ち,歴史
History of ICF.
宮村 紘平
1
,
橋本 圭司
2
Kohei Miyamura
1
,
Keiji Hashimoto
2
1都立大塚病院リハビリテーション科
2国立成育医療研究センターリハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokyo Metropolitan Otsuka Hospital
キーワード:
国際障害分類
,
ICIDH
,
ICF
Keyword:
国際障害分類
,
ICIDH
,
ICF
pp.37-41
発行日 2015年1月10日
Published Date 2015/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200108
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国際障害分類制定の背景
1946年,世界保健機関(World Health Organization;WHO)はWHO憲章において「健康」を「完全な肉体的,精神的および社会的安定の状態であり,単に疾患または病弱の存在しないことではない」と定義した.これを受け,健康を守り増進するための保健活動は複雑で多面的な要素を含むことから国際分類が提唱された.これまでに,死因や疾患の国際的統計基準の分類として国際疾病分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems;ICD)がWHOによって示され,死因や疾病の統計などに関する情報の国際的比較や医療機関における診療記録の管理などに活用された.20世紀後半になり慢性疾患の増加,高齢障害者の増加,障害者に対する人権尊重の機運が高まり,「疾患が生活・人生に及ぼす影響」への視点が注目されるようになった.
1975年12月9日に国際連合で「障害者の権利宣言」が採択され,障害者の基本的人権と障害者問題に関する指針が示された(表1).この宣言において障害者の定義がなされ,すべての障害者の平等を主張しリハビリテーションや労働・経済保証,レクリエーションなどの権利,差別や搾取からの保護が謳われた(わが国では,「障害者の権利宣言」が採択された12月9日を「障害者の日」と定めている).
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