Japanese
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増大特集 リハビリテーションQ&A
Ⅸ その他
59.高齢者の転倒予防
Prevention of falls in the elderly.
大高 洋平
1
Yohei Otaka
1
1慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
介護予防
,
リスク因子
,
骨折
,
加齢
Keyword:
介護予防
,
リスク因子
,
骨折
,
加齢
pp.783-787
発行日 2012年5月10日
Published Date 2012/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102536
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Q1 高齢者における転倒・骨折の実態とは?
本邦において,地域在住高齢者は,1年間に20%前後が転倒を経験するとされ,女性のほうが男性より若干高率である(表1)1,2).一方,海外の高齢者が年間に転倒を経験する割合は20~80%3)と報告によりばらつきがあるが,一般には,65歳以上の高齢者の3人に1人が1年間に1回以上転倒するとされる4,5).したがって,わが国は,海外に比べて転倒率が若干低いが,その理由は定かになっていない.このように人種や生活様式の違い,もしくは対象者の母集団,年齢層,転倒定義,前向きに精緻に調査しているか否かなどの調査法の違いなどにより,転倒発生率は若干異なるが,高齢者においてはおおむね20~50%程度が年間に転倒を経験していると考えられる.
転倒からどの程度,外傷や骨折が発生するかについては調査の困難さから正確なデータは不足しているが,わが国でも海外においても5~10%程度に骨折は発生するとされる4,6-9).そのうち,問題となることが多い大腿骨近位部骨折を生じるのは,全転倒のうち1~2%とされる4,6,9).
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