学会報告
第68回神奈川リハビリテーション研究会―2010年3月6日(土),於:横浜市総合リハビリテーションセンター
成田 すみれ
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター
pp.1207-1209
発行日 2010年12月10日
Published Date 2010/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101923
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1.無菌室でのリハビリテーション―当院での施行状況
横浜市立大学附属病院リハビリテーション科
稲澤 明香・水落 和也・内藤 咲月・前島 千恵
福 みずほ・横井 剛・菊地 尚久
造血幹細胞移植患者に対して,当院では2009年より無菌室でのリハビリテーション(以下,リハ)を開始したので報告する.〔対象・方法〕主治医から要請を受けてリハを行った7名(男性5名,女性2名,平均40.6歳)に関して,リハ開始前後での身体能力および臨床経過を後方視的に調査した.なお,移植患者は無菌室内で理学療法士とともに週2~3回の運動療法を行った.〔結果〕無菌室滞在日数は平均38日,無菌室内リハ施行は平均9.8回であり,無菌室入室前と退室後を比較すると,握力,膝伸展力は低下していた.なお,リハ阻害因子として発熱(平均8.2日),GVHD(発生率60%),骨髄抑制(好中球減少:平均7.4日,血小板減少:平均9.2日),体調不良などが考慮されたが,感染症や出血なく,リハ完遂率は86%であった.〔結論〕無菌室においても安全に運動療法を行えることが確認できた.今後,さらに有効なリハ内容および効果判定,合併症期のリスク管理などの検討を行っていきたい.
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