学会報告
第67回神奈川リハビリテーション研究会―2009年10月10日(土),於:昭和大学藤が丘病院
笠井 史人
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1昭和大学藤が丘病院
pp.297-299
発行日 2010年3月10日
Published Date 2010/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101737
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1.装具,自助具の導入とその結果―「ギランバレー症候群」に対するアプローチ
昭和大学藤が丘リハビリテーション病院
リハビリテーション科
石田 史・庄司 博
〔症例〕症例はギランバレー症候群(軸索型)の78歳,女性で,四肢麻痺,顔面神経麻痺があり,発症から約5か月後,当院に転院した.〔当院OT評価〕両上肢・手指に関節拘縮があり,筋力は両上肢・手指MMT 1-2,両下肢はMMT 2-3であった.浮腫が四肢端末にあり,感覚は表在,深部ともに中等度鈍麻であった.疼痛,しびれが両上肢,手指に出現し,ADL全介助レベルであった.〔OTアプローチ〕①関節拘縮予防・改善装具,②食事用自助具,③はさみ自助具を作製した.〔結果〕身体機能面やADLにおける能力面の改善がみられ,心理面も変化した.一方,機能的改善を強く望んだことや介助慣れから,ADL装具や自助具導入に消極的な時期があった.〔考察〕ADL自立を望んでいても,「装具=障害残存」のイメージをもちやすいが,多目的に装具や自助具を導入することで,機能的回復が遅延している場合でも能力的な改善ができ,他の動作改善への意欲も向上すると考えられた.
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