Japanese
English
実践講座 脳損傷者の自動車運転・4
身体および高次脳機能評価と支援
Evaluations of physical and cognitive dysfunction, and driving support in patients with brain damage.
山嵜 未音
1
,
中村 祐子
1
Mine Yamazaki
1
,
Yuko Nakamura
1
1東京都リハビリテーション病院作業療法科
1Department of Occupational Therapy, Tokyo Metropolitan Rehabilitation Hospital
キーワード:
脳損傷者
,
自動車運転
,
身体機能
,
高次脳機能
Keyword:
脳損傷者
,
自動車運転
,
身体機能
,
高次脳機能
pp.755-759
発行日 2010年8月10日
Published Date 2010/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101831
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
はじめに
脳損傷者にとって,自動車運転は社会復帰をするうえで重要な手段の一つであり1),運転再開を希望する脳損傷者も多い.
脳損傷者の運転可否は公安委員会が判定を行っているが,医学的側面や高次脳機能などの障害に関する情報を医療者に求めることもある.しかし現在,明確な判断基準はなく,われわれは対応に苦慮することも多い.
東京都リハビリテーション病院(以下,当院)で過去2年間の全回復期病棟入院患者に対して実施したアンケート調査によると,有効回答を得た退院患者の69%が運転再開を希望しており,発症前に運転をしていた人の34%が実際に運転を再開していた.また,78%が退院時に医療者より自動車の運転について十分な説明を受けていないと回答した.その多くが,相談窓口,ドライビングシミュレーター(DS)および教習所での練習などの支援を求めていた2).これらのことから,医療者も脳損傷後の運転再開に関する制度や運転適性基準などの知識を得て,積極的に支援をしていくことが期待されていると思われる.
本稿では,自動車運転を再開している脳損傷者の身体および高次脳機能障害の特性をまとめ,当院で関わった症例を通して得た知見を報告する.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.