Japanese
English
特集 自動車運転再開に向けた取り組み
運転に求められる身体機能
The physical function for driving
武原 格
1
Itaru Takehara
1
1東京都リハビリテーション病院リハビリテーション部
1Tokyo Metropolitan Rehabilitation Hospital
キーワード:
視機能
,
聴覚障害
,
片麻痺
,
脳損傷者
,
道路交通法
Keyword:
視機能
,
聴覚障害
,
片麻痺
,
脳損傷者
,
道路交通法
pp.303-307
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200906
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
自動車運転において,ドライバーは認知・予測・判断・操作を適切に繰り返すことで,安全運転を実現している.認知には,運転に必要な多くの情報を得られる視機能および聴覚が重要な役割を果たす.適切な認知・予測・判断が行われたのち自動車を運転するためには,アクセルやブレーキペダルを操作する下肢機能や,ハンドルや方向指示器,ライトなどを操作する上肢機能が用いられる.
現在,高次脳機能障害と自動車運転再開について議論されることが多い.これらの高次脳機能障害患者の多くは,身体機能障害がないか,あるいは非常に軽度の身体障害をもつ患者である.しかし脳損傷を生じると,麻痺や失調,固縮,視野欠損,複視,失語などさまざまな身体機能障害が出現する.そのため,どの程度の身体機能障害までならば運転再開を検討するのか,また,身体機能障害をもつ患者の運転再開を支援するためには,どのような運転補助装置を用意する必要があるのかについて,知識を習得することは重要である.
本稿では,自動車運転再開を検討するための身体機能および必要な運転補助装置について解説する.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.