Japanese
English
講座 評価法(5)
高次脳機能障害の評価
Evaluation for High Brain Function in Rehabilitation Medicine.
土肥 信之
1
,
前島 伸一郎
1
Nobuyuki Dohi
1
,
Shinitiro Maejima
1
1藤田学園保健衛生大学医学部リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Fujita-Gakuen Health University.
キーワード:
高次脳機能
,
評価
,
スクリーニング
Keyword:
高次脳機能
,
評価
,
スクリーニング
pp.369-374
発行日 1989年5月10日
Published Date 1989/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106058
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はじめに
高次脳機能障害の評価というテーマについて解説することになったが,「診断」でなく「評価」というところを重視したい.リハビリテーション医学では一般に「診断」という言葉はあまり用いられず,代わりに「評価」が使われている.「診断」は臓器を中心とした病理学的な病名というニュアンスで用いられているが,リハビリテーション医学ではこの診断名はImpairment(機能障害)のレベルで用いられていることが多い.診断名はその意味では医学的である.しかし「診断」のみでは臨床医学にはならない.とくにリハビリテーション医学のように社会生活と関連の深い医学では「診断」に加えて患者の社会的復帰に必要なあらゆる情報(障害の程度,合併症,心理,家庭,職場,経済上の問題など)が的確に把握されなければならない.
高次脳機能障害においても同じことがいえる.高次脳機能障害は神経心理学としてその分野をほぼ確立しているが,リハビリテーション医学においては障害としてとらえるための検討が必要である.したがって,ここでは高次脳機能障害を失行と失認を中心に「評価」の面から考えてみたい.
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