Japanese
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特集 障害者・高齢者の車両運転と安全
神経心理学的検査の適応と判断
Neuropsychological test for driving in people with brain disorder
加藤 貴志
1
,
末綱 隆史
1
,
山崎 理絵
1
,
井野辺 純一
1
Takashi Kato
1
,
Takashi Suetuna
1
,
Rie Yamazaki
1
,
Jun-ichi Inobe
1
1医療法人畏敬会井野辺病院総合リハビリテーションセンターリハビリテーション部
1Department of Rehabilitation, Inobe Hospital General Rehabilitation Center
キーワード:
自動車運転
,
神経心理学的検査
,
高次脳機能障害
,
脳損傷者
Keyword:
自動車運転
,
神経心理学的検査
,
高次脳機能障害
,
脳損傷者
pp.1195-1202
発行日 2022年10月10日
Published Date 2022/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202638
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はじめに
脳損傷者の自動車運転技能予測に関して,神経心理学的検査(以下検査)と実車評価の関連を検討した研究は,筆者らの知る限りでは1987年に初めてNadina Lincoln博士らが報告した1).この研究では脳卒中患者79名に実車評価を行い,運転可群・不可群間で有意差のみられた検査を報告している.その後も実車評価を基準として検査による運転技能予測の研究が進められ,2007年と2012年には英語圏の研究を対象にシステマティックレビューとメタ分析が報告された2,3).また本邦においてもいくつかの総説やメタ分析が報告されている4-7).このような研究の蓄積を受けて日本高次脳機能障害学会では,運転に関する神経心理学的評価法検討小委員会(蜂須賀研二委員長,現 加藤徳明委員長)を設置し,検査による運転技能予測について検討を行ってきた.その結果を2020年6月「脳卒中,脳外傷などにより高次脳機能障害が疑われる場合の自動車運転に関する神経心理学的検査法の適応と判断(案)」(以下,「適応と判断」)として学会ホームページにて公表した8).本稿では「適応と判断」を中心に,検査による運転技能予測やその注意点について報告する.
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