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教育講座
高次脳機能障害・発達障害のある子どもの就学・復学支援
Support for Children with Higher Brain Dysfunctions or Neurodevelopmental Disorders during School Age
坂爪 一幸
1
Kazuyuki Sakatsume
1
1早稲田大学教育・総合科学学術院教育心理学教室
キーワード:
高次脳機能
,
発達
,
神経心理学的視点
,
随伴症状
,
支援方法
Keyword:
高次脳機能
,
発達
,
神経心理学的視点
,
随伴症状
,
支援方法
pp.327-333
発行日 2018年4月18日
Published Date 2018/4/18
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就学・復学支援の現状
近年,教育現場では特別な教育的支援を受ける子どもが増え続けている.背景には,発達障害(神経発達症群)やその疑いのある子どもの増加がある.高次脳機能障害のある子どもも深刻な状況にある.家族会は,診断や評価を受けられる医療機関の不足と教育的な支援の必要性を強く訴えている.文部科学省は「教育支援資料」で,発達障害に加え,病弱の項目に高次脳機能障害を追記し,障害による認知や行動上の特性への理解とそれらに配慮した指導を求めている.また,「教員向け支援冊子」で家族の思いへの理解の重要性を指摘している.
高次脳機能障害や発達障害は,どちらも高次脳機能に問題がある.子どもの高次脳機能の問題とそれに伴う影響を理解して支援できる専門家・機関は非常に少ない.そのために,保護者も教師も子どもに困惑し苦悩している.後述するが,高次脳機能の理解が家庭と医療・教育機関で共有されなければ,支援に原則や一貫性や具体性や継続性を欠き,子どもが不利益を被る危険性が高い.就学・復学には,高次脳機能への理解と支援が欠かせない.
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