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内容のポイント Q&A
Q1 実車運転コースを有する施設における運転再開支援の流れは?
病歴,画像所見,日常生活や社会生活の情報等から対象者を把握したうえで,神経心理学的検査を実施する.まず,運転再開に大きな影響を与える認知症や半側空間無視,視野障害の有無をスクリーニングする.これらの症状がない場合,神経心理学的検査として,注意と情報処理速度,視空間構成能力,遂行機能の順に検査を実施する.検査の数値上の結果のみで判断することはなく,ドライビングシミュレータ検査や実車評価を通して総合的に判断を行う必要がある.
Q2 実車運転コースにおける実車評価の利点と課題は?
事前に医療機関で運転操作を行うことで,身体機能障害に起因する運転操作の問題と認知機能障害による問題の判別につながる.また,自動車学校で行われる評価の前に緊張をはじめとした心因的な問題による影響を少なくすることができる.実車運転コースにおける実車評価は閉鎖的かつ情報量も少なく限られた環境である.路上評価と比較して評価内容が限られる点に留意する必要がある.
Q3 自動車教習所との連携は?
最終的には近隣の自動車学校で路上評価を実施する.路上評価前に,実車運転コースで実車評価を実施することで,基本的な運転操作技能の確認ができ,運転行動を含めた評価結果を教習指導員と共有してから評価を行うことが可能になる.自動車学校では慣らし運転を行った後に路上評価へ移行し,安全な運転再開が可能か否かについて助言をもらうとともに運転を再開した際に問題となり得る点について助言を受ける.
Q4 最近の課題は?
国内において,院内に実車運転コースを所有する医療機関は非常にわずかである.農協共済中伊豆リハビリテーションセンターではこの恵まれた環境を活かして,問題となる運転行動の機能的背景を検証していく.検討を重ね,運転再開に向けたリハビリテーションプログラムを効率的かつ効果的に行うための可能性を高めていきたい.

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