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実践講座 脳損傷者の自動車運転・1【新連載】
現状と課題
Driving status and problem of the patients with brain damage.
武原 格
1
Itaru Takehara
1
1東京都リハビリテーション病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokyo Metropolitan Rehabilitation Hospital
キーワード:
脳損傷者
,
自動車運転
,
高次脳機能障害
,
自動車運転シミュレーション
,
実車教習
Keyword:
脳損傷者
,
自動車運転
,
高次脳機能障害
,
自動車運転シミュレーション
,
実車教習
pp.457-461
発行日 2010年5月10日
Published Date 2010/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101769
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はじめに
障害者が自動車を運転することは,就労や通勤,あるいはレジャーといった社会参加のうえで,大きな意義がある.また自動車運転免許証は,身分証明書の役割も果たしており,日常生活や社会生活に欠かすことのできないものとなっている.脳損傷者の場合,軽度の身体障害のみであっても自動車運転に対する自信をなくし,運転再開に踏み出しづらい状況がある.また一方で,病識が低下している高次脳機能障害患者では,自動車を運転しないように指導しても,強く運転再開を希望することもある1).自動車運転には,安全な運転技術も大切であるが,注意力,遂行機能,記銘力などの高次脳機能がより重要である.しかし,注意障害や遂行機能障害,記銘力障害などの高次脳機能障害が自動車の安全運転にどの程度影響しているか明らかでなく,明確な安全基準もない.
本稿では,脳損傷者の自動車運転再開における現状と,それに伴う課題について解説する.
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