検査報告拝見 一般血液検査
昭和大学藤が丘病院
寺田 秀夫
1
,
堀内 伸純
1
1昭和大学藤が丘病院
pp.364-365
発行日 1990年4月1日
Published Date 1990/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900097
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- 文献概要
どんな病気でも,どんな診療科でも,初診時に必ず行う検査が血液検査である.したがって臨床検査の中で検体数が最も多く,また非常に多忙な部門が血液検査室である.血球数の異常や塗抹標本上の血球形態の異常の発見から,各種の貧血,肺炎や虫垂炎などの感染症,急性白血病をはじめとする造血器悪性腫瘍や癌の骨髄転移などが診断され,その他前景に出ていないと思われる疾患が発見される場合が珍しくない.正確に血球数を算定し,1枚の美しく仕上がった末梢血の塗抹標本をていねいに観察することは最も大切な血液検査の基本である.それとともに血液検査技師は検査手技に習熟するのみでなく,異常所見の持つ病態的意義を十分に認識していなければならない.それには臨床血液学の勉強を常に怠らず,医師と対等にディスカッションできるようになってほしい.
正しく採血し(静脈血では2分以上ゴムバンドで締めていると血液成分が変化する),EDTA-2 K添加真空採血管に注入した血液は抗凝固剤が完全に溶解するまでよく混和することが大切である.
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