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1.当院における脳卒中片麻痺患者の体力テストについて
昭和大学藤が丘リハビリテーション病院
迫 力太郎・小笹 桂史・義澤 前子・久保 祐子
菅原 恭子・梶屋美奈子・大野 範夫
当院では,1996年度より,脳血管障害患者を対象に体力テストを行っている.その目的は,われわれ理学療法士が患者の体力を知ること,および患者が客観的数値によるフィードバックで自身の状態や変化について理解しやすくするためである.テストの意義や内容については毎年検討を繰り返し,現在に至っている.今回は,2004年度の体力テストの紹介,テスト結果のまとめを報告した.対象者は当院入院中の脳卒中片麻痺患者73名(サンプル数151),平均年齢61.5歳,10m歩行監視以上で可能な者である.テストは,歩行能力により対象を2つのレベルに分類し,6項目11種目についてテストを行っている.
2.健常成人に対する全身浴による温熱刺激が運動能力に及ぼす影響
北里大学医療衛生学部
山川 梨絵・前田 真治・田中 亜紀
中込優希子・森田 夏代
健常成人に対する全身浴による温熱刺激の影響を検討するため,健常成人女性23名を加温群15名とコントロール群8名に分け,水温41℃の全身浴30分間の温熱刺激を加えた.測定は,運動負荷試験から負荷,全身・下肢RPEのPWC120,130,140,150を算出し,反復横飛び・閉眼片足立ち・長座位前屈・握力・膝伸展筋力を入浴の前と2日後に行った.また,NK細胞活性,HSP70も入浴から3日間測定した.結果,加温群においてNK細胞活性は1日後に有意に亢進していたが,HSP70は変化がみられなかった.また,両群の前後で運動能力の変化は認められなかった.温熱刺激後,運動能力に変化がみられなかった要因として,全身浴が遠赤外線照射と異なる温熱刺激である可能性と,一般健常成人はHSP70発現量が少ないこと,HSP70の影響を受ける筋肉量に差があることが考えられた.
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