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増大特集 リハビリテーション医学2007―最近10年の動向とエビデンス
リハビリテーション医療システム・ツール
データバンク―脊髄損傷を中心に
Data bank for spinal cord injury.
元田 英一
1
,
住田 幹男
2
Eiichi Genda
1
,
Mikio Sumida
2
1労災リハビリテーション工学センター
2関西労災病院リハビリテーション科
1Rosai Rehabilitation Engineering Center
2Department of Rehabilitation, Kansai Rosai Hospital
キーワード:
脊髄損傷
,
データベース
Keyword:
脊髄損傷
,
データベース
pp.1265-1271
発行日 2007年10月10日
Published Date 2007/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101099
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脊髄損傷データバンクの必要性
わが国には脊髄損傷(以下,脊損)者が既に10万人以上存在し,さらに毎年約5千人(年間百万人あたり40人)が新たに生まれていると推定される.脊損は比較的若い人にも多く,一度損傷を受けると現時点では根本的な治療法はなく,その障害による医療および社会福祉まで含めた社会的損失も大きい.
脊損の治療の目標は,残された機能を最大限に活用して,日常生活および社会生活の自立を図ることにある.脊損は単に知覚運動麻痺だけでなく,自律神経障害,膀胱直腸障害,呼吸機能障害などの全身的な障害が複雑にからみあっており,脊損患者の社会復帰には損傷の程度に加えて患者のもつ身体的および精神的回復能力,併存症,合併症,手術およびリハビリテーションプログラム,住居環境,家族および地域支援など,多数の因子が複雑に関連している.脊損の受傷要因を検討しその発生頻度を下げることはもとより,合併症の頻度とその要因,治療的リハビリテーションの方法とその効果,治療費,家族環境,社会環境などを適切に評価し,脊損患者の社会復帰を妨げている要因の分析を総合的かつ継続的に行うことが,脊損患者に最良の治療環境を提供できると同時に,医療コストの削減にもつながると考える.
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