Japanese
English
特集 脳卒中治療―最近の話題
リハビリテーション
歩行障害
Rehabilitation:gait disturbance.
和田 太
1
,
越智 光宏
1
,
牧野 健一郎
1
,
佐伯 覚
1
,
蜂須賀 研二
1
Futoshi Wada
1
,
Mitsuhiro Ochi
1
,
Ken-ichiro Makino
1
,
Satoru Saeki
1
,
Kenji Hachisuka
1
1産業医科大学リハビリテーション医学講座
1Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
歩行障害
,
脳賦活
,
ロボット訓練
Keyword:
歩行障害
,
脳賦活
,
ロボット訓練
pp.1152-1156
発行日 2006年12月10日
Published Date 2006/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100428
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はじめに
脳障害後に中枢神経が再構成されることは,神経生理学の進歩に伴い徐々に明らかになってきた.1980年代から,動物における神経の可塑性が精力的に研究された.とくに小脳赤核での発芽により新しいシナプスが形成されるという塚原ら1)の発見は画期的であった.その後の研究で,この可塑性は動物の成長脳にも存在し,さまざまの神経レベルの階層で生じることが確認されてきた2).また,非侵襲的なニューロイメージングの技術の開発により,ヒトにおいても同様な内容が実証されはじめた.
以前より,脳障害後の麻痺筋の回復を目的としたリハビリテーションは,一部行われてきたが,その効果については従来の方法に比して優位性が確認されていなかった.しかしながら,神経科学研究の成果とともに確立されつつあるニューロリハビリテーション(neurorehabilitation)の一部として現在,脚光を浴びつつある.
本稿では,このニューロリハビリテーションの手法を用いた脳卒中者の歩行障害に対するアプローチについて概説をする.また,その手法をサポートする形でロボット技術を応用する動きについても触れたいと思う.
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