Japanese
English
実践講座 心理評価 4
後天性脳損傷
Acquired brain injury.
中島 恵子
1
Keiko Nakashima
1
1九州ルーテル学院大学人文学部心理臨床学科
1Kyushu Lutheran College
キーワード:
神経心理学的検査
,
治療仮説
,
認知リハビリテーション
Keyword:
神経心理学的検査
,
治療仮説
,
認知リハビリテーション
pp.365-370
発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100285
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はじめに
病気や事故によって脳に損傷を受けたために起こった症状に対して,どのような障害を負ったのか,それはどの程度の障害なのかを明確にするために神経心理評価は必要である.
まずは,主治医の画像診断による脳の損傷部位や損傷程度の情報からどのような機能障害が現れるのかを想定し,次にカルテに記載された病棟での観察記録,あるいは直接,家族から聴取した情報から障害像を同定する.さらに,病識の有無,感情の安定度,対人対応における緊張度,疲労感などを面接により把握する.そのうえで,どの神経心理学的検査を施行するのかを決定する.
検査を施行するにあたっては,事前に検査をする意味(なぜ検査が必要なのか)を十分に患者に説明し,同意を得ることが大切である.検査には,できるだけ時間をかけないような工夫(患者を疲れさせないこと)と,安心して検査を受けられるような配慮(緊張を軽減するような対応)が不可欠である.
本稿では,高次脳機能障害の症例を通して,①どのように心理評価を計画し,② 実施し,③ その結果をどのように利用できるのか,④心理評価に基づく家族のサポートなどについて解説する.
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