Japanese
English
研究と報告
脳損傷者の実車運転技能に関連する神経心理学的検査について—システマティックレビューとメタ分析
Driving ability related neuropsychological test for patients with brain disorder:systematic review and meta-analysis
加藤 貴志
1,2
,
岸本 周作
1
,
井野辺 純一
1
,
稲垣 敦
3
Takashi Kato
1,2
,
Shusaku Kishimoto
1
,
Jun-ichi Inobe
1
,
Atsushi Inagaki
3
1井野辺病院総合リハビリテーションセンター
2大分県立看護科学大学大学院博士課程後期健康運動学研究室
3大分県立看護科学大学看護学科健康運動学研究室
1Rehabilitation Center, Inobe Hospital
2Physical Fitness and Sports Sciences Division, Graduate School of Oita University of Nursing and Health Sciences
3Physical Fitness and Sports Sciences Division, Department of Health Sciences, Oita University of Nursing and Health Sciences
キーワード:
自動車運転
,
脳損傷
,
神経心理学的検査
Keyword:
自動車運転
,
脳損傷
,
神経心理学的検査
pp.1087-1095
発行日 2016年12月10日
Published Date 2016/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200793
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要旨 【はじめに】脳損傷者の運転技能について神経心理学的検査(以下,検査)との関連が報告されているが,運転技能予測に有効な検査は確立されていない.今回筆者らは脳損傷者の運転技能と検査の関連を検討した研究を対象にメタ分析を実施し,運転技能予測に有効な検査と認知機能を検討した.【方法】MEDLINE,医学中央雑誌など8つのデータベースから脳損傷者に対し実車評価を実施しているなどの基準を満たした研究を抽出し,2つ以上の研究で用いられていた検査の標準化効果量・統合オッズ比を求めた.【結果】11,047文献から20文献が抽出された.このうち9検査にメタ分析を行った結果,Trail-Making Test(TMT)-A,コンパス,道路標識の効果量が高く,注意力や遂行機能など,複数の認知機能が運転技能予測に関与している可能性が示された.【考察】結果より運転技能予測に関連する認知機能について示唆が得られた.今後これらの知見をもとに,国内にて運転技能予測に有効な検査について検討を重ねていく必要がある.
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