Japanese
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増大特集 新・リハビリテーション技術
疾患編
脳外傷:びまん性脳損傷の認知障害評価
Neuropsychological assessment for traumatic brain injury.
下田 正代
1
Masayo Shimoda
1
1神奈川リハビリテーション病院
1Kanagawa Rehabilitation Center
キーワード:
脳外傷
,
びまん性脳損傷
,
認知障害
,
神経心理学的検査
Keyword:
脳外傷
,
びまん性脳損傷
,
認知障害
,
神経心理学的検査
pp.1187-1194
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109924
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はじめに
画像による診断技術の進歩は,脳損傷の存在を確定し,その部位を高い精度で示すことを可能にした.脳血管障害など,損傷部位(病巣)が局在する場合は,画像所見から病巣とその範囲を確認できる.病巣が特定され,あらかじめ症状が予測できると,リハビリテーションの導入時から,症状に対応したプログラムを提供することが可能になる.
一方,交通事故等に起因する外傷性の脳損傷(以下,脳外傷)の場合には,皮質の挫傷だけでなく,脳の低酸素状態や軸索の広範な損傷が起こるとされ,病巣の特定が難しい.したがって,損傷範囲は画像診断で認められる以上に広範囲びまん性であることが多く,症状は多彩で,予想もしない症状が示される場合もある.また,障害像の個別性が高く,時間的経過に伴う変化も大きい.
このような患者個々の回復プロセスに沿ったリハビリテーションプログラムの提供には,認知機能の評価を欠かすことができない.
ここでは神経心理学的検査を用いた認知機能の評価方法と,評価から得られた脳外傷者の障害特徴について論ずる.また,神奈川リハビリテーション病院で実施した,神経心理学的検査の定量化の試みを紹介する.
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