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編集後記
福井 勉
pp.616
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201922
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新型コロナウイルス感染症対策のためさまざまな業種でテレワークが利用されてきており,本誌の編集会議もWEB会議で行われるようになりました.東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会も延期が決定され,行動制限が大きくなっていますが,力を出し合い協力してこの困難な局面を乗り越えていきましょう.
本号では投球障害を取り上げました.運動器疾患の重要なメルクマールである動作分析のなかでも,投球動作は最も多く研究され,臨床にも生かされている分野であると思います.上肢スポーツ障害の代表でもある投球障害では,肩関節や肘関節に対するメカニカルストレスがさまざまな局面から分析されており,大きく分けると,投球動作として捉えるマクロ的視点と,関節の局在ストレスを考えるミクロ的視点があると言えますが,いずれも重要な分析です.本号では,全身運動としての投球動作の評価を運動連鎖として捉えるための具体的な評価や,投球動作の下肢や体幹とのかかわりについての運動学的特徴を,現状での限界を踏まえてご報告いただきました.さらに,肩関節ではインピンジメントが生じやすい肢位の評価と治療,肩甲上腕関節以外では特に肩甲挙筋と小臀筋からの視点,野球肘予防プログラムと管理の視点,野球肘予防の身体をつくるための方法,具体的な野球肘の運動療法,さらには末梢神経障害からの観点など,いずれも大変参考になる論文をいただくことができました.これらの貴重な情報をもとに,スポーツ現場でのより一層の発展を期待したいと考えています.
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