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この編集後記を書いている猛暑のなか,日本各地で大雨や台風などによる被災のニュースが後を絶たない.臨床実習中の学生も被災し,地震,大雨などにより実習継続が不可能になることが毎年のように起こっている.その陰で本当に多くの人の支えがある.私の所属する大学の臨床実習施設の1つが広島県呉市にあり,病院が一時閉鎖したなかでも学生を最後まで無事に支えてくれた.優しさや復興に向かう力強さだけではなく,的確な判断が求められる状況であった.早い回復を心から祈らずにいられない.
その猛暑のなかで行われるであろう東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会まで2年を切った.前回の特集(2016年6月号)では,理学療法士に必要とされること,組織委員会のメンバーから準備に必要な知識・技術について,アスリートからの提言など,準備を中心に述べていただいた.今回は組織委員会メディカルディレクターの赤間先生および大会運営局アドバイザーの片寄先生に,オリンピック・パラリンピックの医療体制および理学療法について,ロンドン,リオデジャネイロ大会データを供覧して国際オリンピック委員会における理学療法サービスの考え方や東京2020における理学療法サービスの概要を述べていただいた.多くの理学療法士が概要を知ることができる貴重な論文となった.次に東京都福祉保健財団の雜賀先生より,理学療法士のボランティア,特に「大会ボランティア」について述べていただいた.このなかでは理学療法士の関与可能なボランティアについて述べられている.また梶村先生からは日本理学療法士協会としての体制づくりについて述べていただき,杉山先生からは,パラリンピックに向けた理学療法士の取り組みをご自身の体験も含め紹介していただいた.また幸運なことにリオデジャネイロ大会運営に当たられた理学療法士のMendonça先生からは大会での経験をもとに,東京大会への提言をいただいた.座談会では日本理学療法士協会の現況について若手理学療法士の方からの質問にお答えいただく形式をとった.
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