入門講座 歩行・4
エネルギー消費量の観点からみた脳卒中片麻痺患者の歩行
植木 琢也
1
Takuya Ueki
1
1横浜市立脳卒中・神経脊椎センターリハビリテーション部
キーワード:
エネルギー消費量
,
脳卒中片麻痺患者
,
歩行
Keyword:
エネルギー消費量
,
脳卒中片麻痺患者
,
歩行
pp.345-350
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201173
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はじめに
脳卒中片麻痺者(以下,片麻痺者)の歩行練習をしていて,その疲労のしやすさや長距離歩行の難しさは理学療法士なら誰もが経験するのではないだろうか.加齢や廃用の要素も多分にあるとは思うが,はたして本質的な原因はどこにあるのだろうか.また,「1日どれくらいの量の歩行練習をすればよいか?」,「退院後の歩行に関する運動指導はどうするべきか?」といった疑問を持たれることも多いかと思う.
横浜市立脳卒中・神経脊椎センター(以下,当院)は脳卒中を主な対象とする専門病院であり,日々の診療のなかでこのような疑問や悩みに直面することも数多くある.そこで当院では片麻痺者の歩行などの動作におけるエネルギー消費に着目し,呼気ガス分析装置による計測から得られたデータを運動指導へと活用してきた.
本稿では主に自験例に基づき,エネルギー消費量の観点からみた片麻痺者の歩行について解説する.またデータの臨床応用の一例として,当院における片麻痺者への運動指導の実際についても紹介したい.
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