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新年度からの診療報酬・介護報酬の同時改定を前に,皆さまの職場では情報収集や準備,対応に忙しい頃でしょうか.2年ないし3年に一度の慌ただしい時期ですが,理学療法に対する社会の評価として,気が引き締まる時期でもあります.
さて,今月号の特集は「低栄養/摂食嚥下機能障害と理学療法」です.理学療法士が目標やプログラムを立案する際に,栄養状態を把握することは必須であると認識されるようになりました.そして栄養を摂るもととなる摂食嚥下機能に関しても理学療法士が関与する部分は大きいものがあります.本号では,経験ある理学療法士の方々と協業する専門職として言語聴覚士,管理栄養士の方々にも執筆をお願いしました.齋藤務先生には,低栄養/摂食嚥下機能障害と理学療法とのかかわりを解説していただき,ご自身の施設のチーム医療活動の実践をご紹介いただきました.西岡心大先生は栄養療法のかかわりの意義と効果,限界などを丁寧に説明されています.倉智雅子先生には言語聴覚士の行う摂食機能療法についてわかりやすく解説していただきました.柳田賴英先生にはintensive care unit-acquired swallowing disorders(ICU-ASD)の概念も含め,周術期患者における低栄養/摂食嚥下機能障害の考え方と対応について詳細に説明していただきました.そして低栄養/摂食嚥下機能障害を有する高齢者について小泉千秋先生,小児について廣田とも子先生に,理学療法を行っていくうえで知っておくべき知識の整理と実践方法について示していただきました.本号をお読みいただくことが,理学療法と栄養状態とのかかわり,摂食嚥下機能障害に対する理学療法アプローチの向上について考える機会となり,他職種と密に連携して臨床に向かう契機となればうれしく思います.
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