特集 社会の要請に応える理学療法教育
社会の要請に応える理学療法学教育
内山 靖
1
Yasushi Uchiyama
1
1名古屋大学大学院医学系研究科
キーワード:
社会の要請
,
理学療法学教育
,
理学療法士の需給
,
3つのポリシー
,
コアコンピテンシー
Keyword:
社会の要請
,
理学療法学教育
,
理学療法士の需給
,
3つのポリシー
,
コアコンピテンシー
pp.713-722
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200620
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専門職が社会で果たすべき役割
専門職(profession)とは,継続的な学びと公益的な実践に誓い(profess)を立てた者で,神学者,法律家,医療者などが該当する.専門職は,卓越した知識と技能を有し,高い倫理観のもとで,たとえ解決が困難な課題であっても真摯に対応しようとする態度を有し,広く社会に貢献する取り組みが求められる.
専門職は社会と3重の契約をしていると言われる.1つ目にはよき市民であることで,2つ目には一人の専門職として個別の対象者へ十分な帰結と満足感を提供することで,3つ目には専門職集団として社会の要請に応えることである.集団には,病院・施設,教育研究機関,学会,協会などが該当する.専門職は社会に対してその要請に応える革新と発信を続け,社会は専門職に対して一般市民とは異なる行為を許容(医師であれば人体に侵襲的な処置を加えること)するなど適正に処遇・認知する.これらのことから,専門職には,① 高い自律性と倫理観,② 社会のニーズを察して要請に応える態度,③ 社会が必要とする新たな情報や解決方法の創造と実践,の3つが重要な要素となる1).
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