特集 世界の理学療法—激動のAsia Western Pacific地区の現状と今後
タイの理学療法—現状と今後
岩田 研二
1
Kenji Iwata
1
1Phrapradaeng Home for Disabled People, Thailand
1Phrapradaeng Home for Disabled People, Thailand
キーワード:
タイ
,
高齢化
,
医療観光
,
医療格差
,
理学療法学教育
Keyword:
タイ
,
高齢化
,
医療観光
,
医療格差
,
理学療法学教育
pp.299-305
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200172
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はじめに
タイの総人口は約6,495万人1),2012年の世界保健機関(World Health Organization:WHO)の報告によると,平均寿命は男性71歳,女性79歳であり2),これから進行する高齢化に対する対策が早急の課題である.開発途上国のイメージが強いタイだが,2004年に「メディカルハブ構想」を掲げ,医療観光(メディカルツーリズム)を推進するようになってから,外国人富裕層を顧客とし,高度な医療設備を完備した病院が,質の高い医療サービスを提供している.一方で,依然,地域間格差,所得間格差が大きく,理学療法士数の少なさからも,一部の私立病院を除いて適切なリハビリテーションを受けられない場合も多い.本稿では,タイの高齢化,医療観光,医療・年金制度,医療格差,理学療法学教育,これからの課題と可能性についてまとめる.
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