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特集 脳性麻痺児の発達過程と理学療法
脳性麻痺児の就労と自立生活に対する理学療法士のかかわり
Development of Cerebral-Palsied Children and Physical Therapy: The Role of Physical Therapist in Placement and Independent Living of Cerebral Palsied Children
髙橋 寛
1
Hiroshi TAKAHASHI
1
1(社会福祉法人)太陽の家
1Japan Sun Industries.
pp.386-392
発行日 1990年6月15日
Published Date 1990/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103031
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Ⅰ.初めに
1987年2月に厚生省が行なった身体障害者の実態調査1)によると,脳性麻痺者は6万5千人と6千人増加しているが,1987年の総数からみれば2.7%であり,1980年の3.0%に比して0.3%減少している.これは脳血管障害に代表される高齢障害者の増加によるものである.また,脳性麻痺者は年齢別には18歳から39歳以下が61%を占め,40代で減り始め,60代になると激減する傾向が有り,彼らが,就労などを考える青年期リハビリテーションの重要障害群であることがわかる2).
大分県下の某肢体不自由児養護学校の高等部卒業生の進路状況の5年間(1984年から1988年)をみてみると,就労(事業所)が19名(25.0%)であり施設入所が36名(47.4%)であった.東京都立の養護学校3)の同期間と比較してみると,東京の場合,就労が皆無であり,施設入所が2名(3%),当県には設置されていない生活実習所に46名(67.6%)と大半が生活していることは,大都市圏との地域差を物語っている(表1).
この養護学校76名の卒業生の中で,社会福祉法人「太陽の家」(以下,「太陽の家」と略す.)に提携企業との合弁会社に3名が就職,重度授産施設に5名,重度更生援護施設に4名,療護施設に1名の13名が入っている.
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