書評
―市橋則明(編)―「運動療法学各論 高齢者の機能障害に対する運動療法」
篠原 英記
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1神戸学院大学総合リハビリテーション学部医療リハビリテーション学科
pp.804
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101754
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この度,「運動療法学各論 高齢者の機能障害に対する運動療法」が市橋則明教授の編集により文光堂から出版された.序文に示されるように「今までにない書を作りたい」という編集者の意図があってか,高齢者の運動療法に関する各分野のエキスパートを執筆者とし,各主題ともにユニークな出来栄えになっている.
各主題は①高齢者の運動機能の理解,②その運動効果とエビデンス,③運動機能評価,④運動療法の理論と実際,⑤転倒予防,⑥認知的側面からの運動療法,⑦高齢者の姿勢と運動療法,⑧地域介護予防事業の方法と効果からなるが,理学療法士が高齢者の運動に関わるほとんどの分野(医療・保健・福祉・社会)が網羅され,疾患にとらわれることなく執筆されている.各主題を読み進むと,各執筆者の現在までに凝集されてきた指向性・職業体験が垣間見え,結果として読者にそれぞれの視点で高齢者の運動を捉える機会・ヒントを与えている.
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