書評
―市橋則明(編)―「運動療法学―障害別アプローチの理論と実際(第2版)」
伊橋 光二
1
1山形県立保健医療大学
pp.633
発行日 2014年7月15日
Published Date 2014/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106694
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市橋則明氏編集による『運動療法学―障害別アプローチの理論と実際』が初版から6年にして大幅な改訂がなされ,第2版として上梓された.本書は「運動療法の基礎知識」13項目と「運動療法の理論と実際」18項目で構成されているが,「基礎知識」に2項目が新たに加わり,また全体で12項目の執筆者が交代しており,市橋氏のこの書に懸ける並々ならぬ思いが示されているように思える.
この6年間で理学療法士は倍増し,運動療法が提供される機会も大幅に増えているが,その質は向上したのだろうか.患者を評価し,その個別的状況に応じて適切な運動を行わせることで効果を引き出していくべき理学療法士が「この疾患にはこのプログラム」と何も考えずにステレオタイプになっていないだろうか.そのような現状を生み出す養成教育や講習会があふれていては理学療法の発展は望めない.
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