書評
―Jung Sun Hong(著)紀伊克昌(監訳)―「正常発達 脳性まひ治療への応用」
山川 友康
1
1神戸学院大学総合リハビリテーション学部
pp.818
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101758
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著者のHong氏は,ボバース法の国際シニアインストラクターとして,韓国内のみならず,アジア諸国など国際的にも幅広い活動を展開している理学療法士である.著者は,今回の監訳者および翻訳者と長年に渡って交流を続け,日韓両国の中枢神経疾患に対するリハビリテーションの発展に大きな貢献をしてきた.また,日本の医師や多くの理学療法士,作業療法士,言語聴覚士らとも親交が厚く,両国の医療および療育関連職種間の国際親善や国際交流を深めるために多くの活動を続けている.1993年には,日韓両国の医師や理学療法士,作業療法士,言語聴覚士らと連携して,韓国において初めてボバース法8週間講習会を開催し,その後も,継続して当講習会を主宰している.また,インドネシアやフィリピンなど各国でボバース法の脳性麻痺入門講習会を開催し,アジア地域における小児科領域のリハビリテーション発展の牽引者の一人でもある.
本書には,著者の臨床経験と研究から,脳性麻痺の治療に直接利用できる盛り沢山の臨床的アイデアが盛り込まれている.本書の特徴は,正常発達を小児科領域の理学療法に応用できるように,詳細かつ具体的に記述していることである.
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