書評
—水口 雅,市橋 光,崎山 弘 総編集—今日の小児治療指針—第16版
黒木 春郎
1
1外房こどもクリニック
pp.705
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224145
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人は常に社会的局所でのみ生活する.自分の身の回りとその仕事,誰もがそこからの視点で世界を見る.そしてそのことの限界から逃れきれない.医師であっても他の職業であっても同様である.臨床医を例にとれば,働く場所が診療所か集中治療室かで求められるものは異なる.そうすると,己の発想も思考もいつの間にか自分の環境に規定されてくる.開業医と勤務医の乖離はそこから生じる.
本書をそばに置くことで,そうした限界を常に意識できる.そして時には超えることも可能となる.小児科医に求められるものは何であろうか? その専門性とは何であるのか? 小児科の臨床医であれば,自分の専門でない分野に対しても,小児に関連する全領域に少なくとも言及できる素養は必要である.本書はその要求に応えるものである.
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