連載 マグネットステーション インタビュー・22
訪問看護の役割が終わらないジレンマ―訪問看護ステーション堂山,市橋恵子所長に聞く
木村 憲洋
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1高崎健康福祉大学健康福祉学部医療福祉情報学科
pp.825-829
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101439
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“スキマ産業”としての出発
木村 運営方針をお聞かせいただけますか。
市橋 メジャーではなくても必要なところに,つまりスキマ産業ですね。1996年に薬害エイズ事件が和解した後,HIV/AIDSの拠点病院体制ができ,医療体制はうまくいくようになりました。しかし,HIV/AIDSに関するボランティア活動をしていた私たちが懸念していたのは,日和見感染症がきっかけで発見されるHIV感染者,今でいう「いきなりエイズ」の方です。発症した後も薬を飲めば慢性疾患として経過する病気なので,障害をもって在宅に入っていった人たちを誰がみるかということが気になっていました。
そこで,HIVの人への訪問看護の経過を提示しようと思ってステーションを始めました。ほかのステーションでも受け入れてくれるようになれば,それで私たちの役割は終わりで,ステーションを解消しようと思っていたんです。
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