Japanese
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症例報告
背臥位での骨盤後傾運動が慢性化した脊柱管狭窄症患者のバランス能力に及ぼす影響―シングルケーススタディでの試み
Effects of posterior tilt excise of pelvis on supine position for the enhancement of body balance in a patient with chronic spinal canal stenosis―examination by single case study.
田村 将良
1
,
谷本 正智
1
,
磯山 明宏
1
,
尾崎 良孝
1
,
川北 俊雄
1
,
水野 雅康
1
Masayosi Tamura
1
1みずのリハビリクリニック
キーワード:
脊柱管狭窄症
,
骨盤後傾運動
,
ホームエクササイズ
Keyword:
脊柱管狭窄症
,
骨盤後傾運動
,
ホームエクササイズ
pp.831-835
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101762
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要旨:腰部脊柱管狭窄症患者に対し,その代表的な運動療法であるWilliams体操を実施していたものの,治療効果が十分に得られないまま治療に難渋していた.その症例に対し,新たに脊柱の分節的安定化を目的とした背臥位での骨盤後傾運動を施行した結果,静的バランス(重心動揺計検査による総軌跡長,外周面積),動的バランス(FRT,TUG)のいずれにおいても良好な症状の変化を認めた.これらのことから,腰部脊柱管狭窄症患者のバランス能力に対し,背臥位での骨盤後傾運動の有効性が示唆された.一方,EBMの観点から本症に対する運動療法の効果は科学的に実証されたものが少なく,脊柱安定化筋群の評価方法についても,妥当性や信頼性に関する研究は十分でないのが現状である.今後,同一の症例数を増やしていくことで,脊柱安定化運動のさらなる有効性やそのメカニズムについて検討を重ねていく必要があると考えられた.
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