特集 高齢者の運動療法の効果と限界
高齢者の平衡機能と運動療法
山田 拓実
1
Yamada Takumi
1
1首都大学東京理学療法学科
pp.25-33
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100631
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はじめに
加齢により体力の各要素は衰えるが,その中でも平衡機能の低下は著しい.高齢者は平衡機能の低下に加え,筋力および外乱刺激に対する応答性の低下により,容易に転倒しやすい傾向がある.高齢者の転倒の危険性は筋力低下では4.9倍に,バランス障害では3.2倍に上昇することが報告されている1).高齢者の転倒予防の取り組みは国内外で積極的に実施されており,筋力トレーニングを含む複合的運動およびバランス能力向上が最も有効とされている.本稿では高齢者のバランス能力の加齢変化と運動療法,その効果と限界について論述する.
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