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短報
大腿骨近位部骨折術後患者の退院時における下肢筋力,股関節可動域と歩行速度との関連
The relation between lower limb strength,range of hip motion and walking speed at discharge in proximal femoral fracture patients.
福元 喜啓
1,2
,
建内 宏重
1
,
大畑 光司
1
,
木内 隆裕
1
,
南 昌宏
3
,
市橋 則明
1
Yoshihiro Fukumoto
1,2
1京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
2日本学術振興会
3医仁会武田総合病院整形外科
キーワード:
大腿骨近位部骨折
,
退院時
,
最大歩行速度
Keyword:
大腿骨近位部骨折
,
退院時
,
最大歩行速度
pp.523-526
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101692
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要旨:本研究の目的は,大腿骨近位部骨折術後患者の退院時における下肢筋力と股関節可動域を調べ,歩行速度との関連を検討することである.屋内歩行が可能となり,退院となった大腿骨近位部骨折術後患者19名を対象とした.19名の両側の股関節屈曲,外転,膝関節伸展の筋力と患健比,および股関節屈曲,伸展の関節可動域を測定し,最大歩行速度との関連を検討した.健側と比較し,測定したすべての患側筋力は有意に低く,患側股関節可動域は屈曲,伸展ともに有意に小さかった.患健比は,股屈曲,外転と比べ,膝伸展が有意に低かった.Stepwise重回帰分析により,最大歩行速度に影響を与える因子として健側股外転筋力が抽出された.以上より,大腿骨近位部骨折患者の患側下肢筋力,股関節可動域は,歩行が可能となり退院となっても健側の値まで回復しておらず,筋力では,特に膝伸展筋力が低いことが明らかとなった.また,術後の歩行速度には,主に健側股外転筋力が関連していることが示唆された.
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