特集 早期理学療法
変形性関節症術後の早期理学療法―人工股関節置換術を中心に
内田 賢一
1
,
斎藤 幸広
1
,
友井 貴子
1
,
濱野 俊明
1
,
高関 じゅん
1
,
畠中 佳代子
1
,
松島 理恵
1
Uchida Ken-ichi
1
1藤沢市民病院リハビリテーション室
pp.767-772
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100881
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医療制度の改革により,医療機関では在院日数の短縮化が急務となっているが,当院は急性期入院加算を算定している地域医療支援病院であり,2002年度の平均在院日数は15.4日である.そのため,変形性股関節症に対して施行される全人工股関節置換術(以下THA)に対しても,術後の早期退院に向けての理学療法のかかわりが要求されている.
近年のセメントレス人工股関節は,コンポーネントおよび大腿骨髄腔とのフィッティング技術の改良により術後翌日からの早期荷重が可能となっている1~3).また,荷重開始までの数週間に軟部組織の修復は望めるも廃用性筋力低下が生じる可能性が示唆されたことから,2002年12月より術後4日で1/2部分荷重負荷(以下PWB),術後2週で全荷重負荷(以下FWB)へと変更した.当院におけるTHAの理学療法は,従来術後5週でFWBを許可し,耐久性が向上し杖歩行の安定性が得られる術後6週を退院の目安としていた.この間,退院に向けて日常生活動作(以下ADL)の自立のみならず,生活関連動作の獲得を視野に入れたアプローチを行ってきた.現在,術後の在院日数が短縮したため実生活に即した日常生活動作の早期獲得を目標とする理学療法が,今まで以上に重要なものとなっている.
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