特集 超高齢者の骨・関節疾患の理学療法
超高齢者の膝障害と理学療法
斎藤 幸広
1
,
内田 賢一
1
,
友井 貴子
1
,
濱野 俊明
1
,
畠中 佳代子
1
Saito Yukihiro
1
1藤沢市民病院リハビリテーション室
pp.849-854
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106155
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はじめに
超高齢者は高齢者の延長にあり,その高齢者の概念の一つとして「高齢期者は中年期の命とりになる疾病を克服してきたいわば恵まれた集団である.ハイリスクグループは,高年に至らず淘汰されてしまっている」1)と述べられている.超高齢者となるとさらに加齢とともに体力・運動能力の低下により内部障害の疾患に罹患しやすくなる2)ことは容易に想像される.また骨粗鬆症や関節の退行変性による超高齢者の膝障害がもたらす活動性や自立性の低下がひいてはQOLの低下を招くことになる.超高齢者に対する理学療法は高齢者に対する理学療法と基本的に変わることはない.しかし,より早期からの理学療法の必要性と潜在的に存在する呼吸,循環および骨関節疾患など合併症の対応を十分考慮しておく必要がある.また長期入院は抑うつ状態など精神機能障害をもたらすことはよく知られ,理学療法を実施する際心理的状況の変化を見逃さず把握しておくことが必要となる3).超高齢者の膝疾患としては変形性膝関節症(膝OA),関節リウマチ(RA),骨折などがあげられる.本稿ではこれらの膝障害の問題点を検討し実際の理学療法について述べ,症例を供覧する.
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