原著
入院期心臓リハビリテーションプログラム終了時の虚血性心疾患患者の下肢筋力と運動耐容能の関係
松永 篤彦
1
,
神谷 健太郎
2
,
増田 卓
1
Matsunaga Atsuhiko
1
1北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
2北里大学大学院医療系研究科
pp.156-162
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100784
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虚血性心疾患患者の運動耐容能を規定する因子として呼吸循環機能だけでなく下肢筋力が指摘されている1,2).これは健常成人の運動耐容能の指標として使われている最高酸素摂取量(peak VO2)や嫌気性代謝閾値(AT)が骨格筋の酸素利用能に大きな影響をもつ3)ことからも予想できる.最近になって虚血性心疾患に対する抵抗運動の安全性が認められるようになり4,5),運動持続時間の向上には有酸素トレーニングだけでなく筋力トレーニングを併用することがより効果的であるという報告が多い3,6,7).しかし,虚血性心疾患患者における下肢筋力低下と運動耐容能との関係を年齢や心機能まで考慮に入れて検討した報告は少ない.
この研究で筆者らは入院期プログラムを終了した虚血性心疾患男性患者を対象に,運動耐容能と下肢筋力との関係を重回帰分析を用いて検討した.運動耐容能の指標としては,Bruce法による運動負荷試験時の持続時間と完遂ステージレベルを採用した.また,多重ロジスティック回帰分析を用いて,下肢筋力とBruce法ステージⅢを完遂できる確率との関係を調べた.
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