特別寄稿
パワーリハビリテーションの考え方
竹内 孝仁
1
Takeuchi Takahito
1
1日本医科大学付属第二病院リハビリテーションセンター
pp.148-155
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100783
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背景─急増する要介護高齢者
平成12年度の介護保険制度発足以来,要支援・要介護者は早くも300万人を超え,この増加は今後も一貫して続くと予想されている(表1).この増加の背景には高齢者,特に後期高齢者の増加があるものの,その一方で「特別養護老人ホーム入所希望者」の急増(表2)や在宅サービスの需要増を引き起こし,これらが介護保険料の値上げという,住民の生活に直結する深刻な問題に発展しつつある.
リハビリテーションは何をしてきたか
「要介護者」つまりADLの自立性に問題をもつ人々に最も関連の深い分野はリハビリテーション(以下,リハ)である.極論すれば,現在の要介護者急増に責任をもつべきは,リハ関係者およびその活動の仕組みであるといえる.この考え方は,介護保険の設計段階で国も重視しており,当初は「リハビリテーション前置」なる言葉(すべての障害をもつ人々にまず十分なリハを実施して,自立性を最大限に高めてから,残存する障害に介護サービスを提供するという意味)があったが,実際に介護保険が始まってみるとこの考えは消え去り,ひたすらサービス提供のみに走るという状況に至っている.
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