Japanese
English
入門講座 運動耐容能試験・2
PADのリハビリテーションの運動耐容能試験
Exercise tolerance test for PAD patients
牧田 茂
1
Shigeru Makita
1
1埼玉医科大学国際医療センター心臓リハビリテーション科
1Department of Cardiac Rehabilitation, Saitama Medical University International Medical Center
キーワード:
末梢動脈疾患
,
歩行運動療法
,
足関節上腕血圧比
,
インターバルトレーニング
Keyword:
末梢動脈疾患
,
歩行運動療法
,
足関節上腕血圧比
,
インターバルトレーニング
pp.401-404
発行日 2016年5月10日
Published Date 2016/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200590
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
末梢動脈疾患(peripheral arterial disease;PAD)は,閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterance;ASO)とも呼ばれており,粥状動脈硬化に起因する動脈内腔の狭窄によって末梢の循環障害を来した病態として知られている.またPADは,末梢の動脈閉塞性疾患の90%以上を占める疾患で本邦でも増加してきている.最も典型的な症状は間歇性跛行(intermittent claudication)であるが,同時に糖尿病,高血圧,脂質異常症などを高率に合併し,しかも冠動脈疾患や脳血管疾患の合併率が高いこともよく知られた事実である.したがって,PAD患者の治療にあたっては,症状を改善することを通じて生活の質(quality of life;QOL)の向上を目指すと同時に,リスクファクターの是正と生命予後に影響する合併症への対応も不可欠である.
PADの評価と治療に関する総合的なガイドラインが2000年に出されたが1),2007年に改訂され,欧州と北米を中心とした16関連学会の代表によるワーキンググループ(the Trans-Atlantic Inter-Society Consensus Document on Management of Peripheral Arterial Disease;TASC)によるTASC Ⅱが出された2).PADの治療には運動療法,薬物療法,侵襲的治療といった多様なアプローチが必要である.本稿では,このうち運動療法を中心に述べることとする.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.