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ピロリ菌除菌のテーラーメイド医療
古田 隆久
1
,
杉本 光繁
2
,
山出 美穂子
2
,
魚谷 貴洋
2
,
佐原 秀
2
,
市川 仁美
2
,
鏡 卓馬
2
1浜松医科大学臨床研究管理センター
2浜松医科大学第一内科
pp.566-573
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205958
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はじめに
ピロリ菌(Helicobacter pylori)の除菌療法は,胃酸分泌抑制薬であるプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)と抗菌薬であるアモキシシリン(amoxicillin:AMPC)に加えて,一次除菌ではクラリスロマイシン(clarithromycin:CAM),二次除菌ではメトロニダゾール(metronidazole:MNZ)が用いられる.最近では,PPIに加えて,カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(potassium competitive acid blocker:P-CAB)も用いられるようになった.
ピロリ菌の除菌療法においては,胃酸を十分に抑制して抗菌薬の効果を高める必要がある.さらに,抗菌薬は,ピロリ菌に対して感受性であるものが選択されることが必要である.また,抗菌薬にそれぞれ特性があることから,個々の症例に応じた対応が好ましい.また,個々の症例において,薬物への耐容性なども異なっている.以下,胃酸分泌抑制,抗菌薬の選択,そして,抗菌薬の投与法における個別化について概説する.
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